診療のご案内
Department
診療方針
患者さま・ご家族の
『生活の質(Quality of Life : QOL)』の向上を目指し、
スタッフ一同、あなたの治したい気持ちをサポートします。
当院は子どもからご高齢の方まで世代年齢を問わずご相談いただける心療内科・精神科・児童精神科のクリニックです。
「生活の質 (Quality Of Life: QOL)」の向上に重点を置き、一人ひとりに合った医療の提供を心がけています。また、病気とまではいかない状態の人への予防にも積極的に取り組んでいます。
主な診療方法
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薬物療法
向精神薬を含め、西洋薬・東洋薬(漢方)を幅広く処方に用いています。いずれも薬の使用は最低限の量に抑えるよう心がけています。補助としてサプリメントのご提案をさせていただくこともあります。
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心理カウンセリング
支持的な雰囲気で傾聴の姿勢をモットーに、一人ひとりに適切と考えられるカウンセリング技法を選択していきます。ことばを介しての心理療法のみならず、行動活性化療法、アンガーマネージメント、認知行動療法なども検討し、用いています。
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言語療法
言語療法とは、ことばでお困りの方を対象とした訓練です。例えば「発音がはっきりしない」「コミュニケーションがとりづらい」「吃音(どもり)がある」等に対して、スピーチセラピスト(言語聴覚士)が、ことばの発達を促すサポートをします。幼児・学童期に限らず、当院では必要に応じ全世代にご提供しています。
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キャリアカウンセリング
継続的な就労に対する支援として当院ではキャリアカウンセリングを導入しております。
ご本人の得意領域と苦手領域のバランスをカウンセラーがともに考えながら、ご自身の置かれた「環境そのもの」を具体的にサポートすることで悩みの改善につながるケースもございます。キャリアカウンセラーがソーシャルワーカーの役割を担い、外部の支援機関と連携するお手伝いを行っております。 -
グループセラピー
グループセラピーとは、同じ悩みをかかえる人たちで集い、個々の課題について話し合ったり、学習したりする心理療法です。グループカウンセリングでは同じ悩みを抱える方々との関わりをもつことで、社会に適応していくための1歩を踏み出す大きな後押しとなったり、自己肯定感を高めるなど、個別のカウンセリングよりも改善の効果を見込めることもあります。
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プレイセラピー (児童のみ)
プレイセラピーとは遊びを介した心理療法の一つで、遊戯療法ともいわれます。セラピストとの遊びを通じて少しずつ変化し成長していきます。
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学習支援
当院では発達の凹凸のために学校での集団学習につまずきを感じているお子さんを対象に個別学習支援「はやかわキッズゼミ」を準備しております。ひとり一人にあった指導の「コツ」を大事にしている進学塾講師が学習支援を担当します。
主なご相談内容
「朝起きると体がだるく、重たい感じがする」
「以前のように物事を楽しめない、興味を持てない」
大人のうつ病
憂うつ感、眠れない、食事を美味しく感じられない、疲労感、集中力の減退、落ち着かないなどの症状がほとんど一日中、2週間以上続くようであればうつ病の疑いがあります。脳内の神経伝達物質の低下により抑うつ症状が生じている場合、気のもちようで治るものではありません。休養を取ったり生活リズムの調整を行ったりするほか、専門家による薬物療法、心理療法を組み合わせた治療が必要です。
仕事のストレスとうつ病症状
私たちのストレスの原因は必ずしも職場でのストレスとは限りません。しかし著しい工業化と急速なグローバライゼーションの現代において、労働者は効率的に働き、迅速により多くの成果を出すことを求められており、生活がストレスフルであることは否めません。こうした職場環境と生活の質(QOL)との関係性に関する知見はたくさん報告されています。
(当院院長の職場環境とQOLに関する研究論文はこちら。
仕事の要求度が高く、自己裁量権・自由度が低く、職場の同僚や上司による社会的支援の少ない場合に労働者のストレスは最も高まり、健康に関する生活の質(QOL)が低くなることが明らかにされています。しかし、一言に「適切な仕事の要求度、自己裁量権・自由度」といっても、個人が持つ特性やその他の条件(仕事を始めてからの期間、職位)によってさまざまであることに注意が必要です。
図は仕事負荷とストレス、仕事の能率との関係を示しています。個人に合った仕事負荷と適度なストレスは仕事の能率を高める一方、仕事負荷・ストレスが個人のキャパシティーを越えると、仕事の能率は低下していきます。仕事の能率が低下するほどのストレスに長期間さらされ続けることにもつながり、うつ病などの疾患の発症につながりやすくなります。
「原因不明の頭痛や腹痛が続く」
「学校に行けなくなった」
子どものうつ病
うつ病は大人だけでなく子どもにも起こり得る精神疾患です。子どもの抑うつ症状の現れ方は、大人の典型的なうつ病症状とは異なる場合も多く、注意が必要です。体の症状(頭痛、腹痛など)を訴える、いらいらしやすい、成績が急降下したなどのほか、不眠や過眠、食欲低下あるいは食欲亢進などが症状としてみられる場合もあります。
子どもの抑うつ気分に対して薬物療法は第一選択肢ではありませんが、病状に応じてお薬を処方する場合もあります。
「対人場面で強い緊張や不安が起こる」
「突然、動悸や息切れが起こる」
不安・パニック障害
大勢の人の前で話したり、初めての状況に挑戦したりするときに不安を感じるのは当然の反応です。ある程度の不安は適応的であり、それにより潜在的な危険に対して適切に注意を払うこともできます。しかし不安や心配が過度になり、日常生活に大きく影響を及ぼすレベルとなると、不安症(不安障害)と診断されます。
不安症(不安障害)の中には、「死んでしまうのではないか」と思うほどに強く動悸・呼吸困難感・発汗のような身体症状が発生するパニック障害があります。パニック障害はそのような発作だけでなく「発作が起きたらどうしよう」と予期不安に襲われ、外出などの日常生活への極端な制限があることも特徴的な症状です。
パニック障害の治療は大きく①薬物療法と②心理療法(認知行動療法)の2つがあり、この両者を併用すると治療効果が高まるといわれています。まずは、薬物療法によりパニック発作を軽減させ、日常生活上の外出制限といった機能障害を緩和させ、その後、認知行動療法などの心理療法を併用し、症状の改善と再発予防を図ります。症状を悪化させる睡眠不足や疲労、アルコールやカフェインの取り過ぎなどの生活習慣改善もめざします。
「寝つきが悪い」
「夜中に何度も目が覚める」
睡眠障害・不眠症
熟睡することができず充分な休養を取ることができない、または逆に睡眠し過ぎてしまうなど、睡眠にまつわる症状が長く続く状態を睡眠障害や不眠症といいます。睡眠障害や不眠症の原因は、ストレスなどの心の問題、生活リズムの乱れ、就寝する環境、飲酒や喫煙などさまざま。睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合は、精密検査と加療のために適切な医療機関へご紹介いたします。
「慢性的な疲労が抜けず、体がだるい」
「めまいやふらつきがある」
自律神経失調症
自律神経失調症とは、過度の緊張や疲労、ホルモンバランスの不調などにより、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて起こる症状です。自律神経は、その時々の体の状況に応じて自動的に作動し、体内を恒常的な状態に保ち続ける神経です。たとえば、暑いときに汗をかいて体温の上昇を抑えるなども自律神経の働きがあるからです。自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、それぞれ相反する機能を持っています。
自律神経の失調症状は、うつ病、不安症などのさまざまな精神障害に付随して認められます。慢性的な疲労、だるさ、めまい、動悸といった身体的な症状のほか、いらいら、不安感などの精神的な症状として現れることもあります。自律神経失調症の治療には症状を抑えるための対症療法と併せて心理的な背景要因に対する心理・精神療法を検討します。当院では症状に合わせたお薬として漢方薬も用いています。対症療法で症状が軽減されるだけでも、症状から来るストレスが緩和されるなどポジティブな循環が生まれることは少なくありません。
「理由もなく不安やイライラが続く」
「のぼせ、疲れ、肩こり、頭痛など身体の不調が抜けない」
男性・女性更年期障害
女性の場合、更年期とは閉経前後の5年間くらいの期間(45〜55歳頃)を意味します。この時期には卵巣から分泌される女性ホルモンが低下し、ホルモン分泌のバランスに大きな変化が生じます。更年期には発汗、のぼせ、倦怠感、肩こりといった身体症状やイライラ、不安感、不眠などの精神的な症状を伴う場合が少なくありません。
一方、最近になり男性の更年期障害も広く認知されつつあります。男性の更年期は40歳以降に生じ、発症年齢は女性よりも長い傾向にあります(70歳代でも起こりえることが示唆されています)。男性では加齢により男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下することに伴い、発汗、のぼせ、性機能障害といった身体症状や、記憶力・集中力の低下、倦怠感、不安、抑うつ気分などの精神症状を認める場合があります。
当院では必要に応じて漢方薬・向精神薬の投薬、日常生活指導、疲れや肩こりなどの症状への点滴治療などをはじめ、男性・女性ホルモンの血液検査を受けていただくことが可能です。必要に応じて婦人科や泌尿器科へのご紹介も適宜行っています。
「頻繁に下痢や便秘を起こす」
「おなかが張っていて不快感が続く」
過敏性腸症候群
小腸や大腸に異常がないのに関わらず下痢や便秘を繰り返す場合は、過敏性腸症候群の疑いがあります。過敏性腸症候群の原因は、ストレスや性格の影響が大きいと言われていますが、原因はまだ解明されていません。過敏性腸症候群では、脳と腸のあいだの信号が双方向に強くなっているようです。ストレス負荷により不安を感じると腸の収縮運動が亢進し、一方で痛みに過敏な状態に陥ります。この状態が強いと過敏性腸症候群といえます。
「うつ症状にも悩まされるものの、調子の良い期間には普段と違う行動を取ってしまう」
双極性障害(躁うつ病)
昔は「躁うつ病」と呼ばれていた双極性障害は、うつ状態と躁状態という2つの状態が現れるのが特徴です。うつ状態では上述した抑うつ症状を認める一方、躁状態では気分が高揚する、多弁になる、浪費する、尊大な態度を取る、睡眠時間が少なくても平気でいる、怒りっぽいなど周囲にもわかりやすく、他人とトラブルを起こす場合もあります。双極性障害でも特に躁状態のときには、薬物療法が有用です。治療にあたっては、薬物療法と並行して未然に躁状態になるのを防ぐためのご自分の病気の受容、規則正しい生活リズムの維持、躁転しやすい状況を意識的に回避するなどの認知行動療法も重要となります。
最近、上述した躁状態が明確な双極I障害とはタイプの異なる双極II型障害が注目されています。双極II型障害では、躁状態は軽症のため、ご本人も周囲も気分の波のあることに気づいていない場合も少なくありません。
「周りの同年齢の子と比べ、言葉が遅れているようだ」
言葉の遅れ
言葉の遅れといっても、成長には個人差がある上に、考えられる原因もさまざまです。難聴が原因のこともあれば、知的発達の遅れによるもの、自閉スペクトラム症など対人相互作用の障害によるもの、言語学習に限定された学習障害によるものなどです。当院では通常の診察のほかに発達検査などの検査や療育カウンセリング、あるいは、スピーチセラピーをご利用いただけます。
「自然なコミュニケーションが苦手」
「自分のやり方や、物への強い興味がある」
自閉スペクトラム症
自閉スペクトラム症の特徴は、その方によってさまざまです。他人の気持ちや発言のニュアンスを理解できず人との関わりを苦手と感じたり、関心・興味の偏り、自己流のやり方やある特定のパターンへのこだわりがあったりすることなどが代表的な症状です。その他にも感情のコントロールができない、物事に対して被害的な受け止め方をする、感覚の過敏さ・鈍さなどの症状がしばしば見受けられます。お子さんの先天的な特性を肯定的に受け入れ、周囲の環境とのあつれきをできる限り解消する環境調整(環境の構造化)が必要です。
当院ではお子さんの発達段階と発達特性を踏まえつつ、環境調整やご家族の関わり方を支援しています。
「うまく周囲とコミュニケーションを取れない」
「発達障がいかもしれない……」
神経発達症(大人の発達障がい)
最近では、「大人の発達障がい」とも呼ばれる神経発達症。多くの場合、幼少期に「発達障がい」と診断されますが、最近ではうつ病や適応障害などの二次的な精神障害が起こって初めて診断されることも多くなっています。神経発達症には、自閉スペクトラム症、ADHD、限局性学習症(学習障がい)などがあります。ただし、その在り方は個人差が大きいため、それぞれに合わせた対処方法(環境調整などを含む社会心理療法、ソーシャルサポート、症状の緩和を目的とした薬物療法など)が必要です。当院院長は大学で学生や教職員のメンタルヘルス管理、障害のある学生の就労サポートをしてきた経験を生かし、当院でも外部と連携して、セラピーや訓練を多彩に行っています。
「うっかりミスが多い」
「じっとしていることが苦手」
「思いついたら、考える前に行動してしまう」
注意欠如・多動症(ADHD)
注意欠如・多動症(ADHD)とは神経発達症(発達障がい)の一つで、多動・衝動性や不注意が特徴とされます。一方、興味のあることにはたいへんな集中力を発揮したり、チャレンジ精神旺盛であったりします。ただし、学校や職場ではADHDらしさのために生活につまずくことも少なくありません。また、ご本人は困っていなくとも、周囲の方々が困惑している場合もあります。特性を理解し、日常生活上の目標や環境を整えることが大切です。時にお薬がご本人の頑張りを後押しするのに効果的な場合もあります。
「読む・書く・計算など、特定のことができない」
学習障害・発達性協調運動症
文字の読み書きや数字の理解などに関わる脳の働きの不全により、知的な発達に明らかな遅れがないのにかかわらず「読む」「書く」「計算する」といった特定のことがうまくできないことを限局性学習症(学習障害)といいます。読み書きや計算などの学習が本格的に始まる小学校入学以降にその特性が明らかになります。症状を緩和したり、治したりする治療薬はないため、当院では補助的な支援方法(電卓やワープロの利用など)や学習支援法などについて話し合います。
同じく、筋肉や神経、視覚・聴覚などに異常がないのに、「ボールを蹴る」「字を書く」などの運動が極端に苦手な場合を発達性協調運動症といいます。限局性学習症(学習障害)や発達性協調運動症は自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(AD/HD)に併存することがあります。
「言葉や生活習慣獲得の発達が遅い」
「友達付き合いや勉強につまづいている」
知的障害
知的障害とは、知的発達の遅れによる障害があるため、日々の暮らしに支障が生じている状態を意味します。その程度により軽度〜最重度に分類されます。日常生活を送るために、ご家族をはじめとした周囲の援助が必要です。援助で迷われることや今後の社会資源等のご相談を承っております。
「どもってしまう」
吃音
「わ、わ、わたし」と音を連発する、「わーーたし」「そーーれで」と語音を伸ばす、言おうとする言葉につまるといった吃音は発話障害のひとつです。多くの場合、吃音は成長とともに徐々に軽くなっていくものですが、生活に差し障るなど気になるようでしたらご相談ください。当院では、言語聴覚士による言語療法(スピーチセラピー)を実施しております。
「短時間に頻繁にまばたきをする」
「無意識に『あっ』など声が出てしまう」
チック
ご本人が意識していないのに、突発的や反復的に同じ体の動きや発声をすることを指します。「まばたきをする」「首を振る」「肩を上げる」「顔をしかめる」などの動作をごく短時間にくり返す運動チックと、「『あっ』と声を出す」「鼻を鳴らす」などの音声チックがあります。無理に止めさせようと注意すればかえってストレスになり逆効果になりかねません。一方、ご本人が強く気にしている場合もあり、学校生活などに支障が出る場合はご相談ください。
「理由をはっきり言えないが、学校に行きたがらない」
「登校時間になるとお腹が痛くなる」
不登校
不登校は疾患名ではなく、「学校に行けない(行かない)」という状態を指しています。不登校の背景には多様な要因が関係しますが、登校できない理由をはっきりと述べられるお子さんは少ないものです。前日までは登校意欲もあるものの、登校時間になるとなぜか頭痛や腹痛などの身体症状が出て登校できなくなるケースもしばしばあります。
当院では学校に行けない(行かない)背景因子について、診察や心理カウンセリング、発達・心理検査を通して検討します。ある一つの理由を特定する「犯人探し」をするよりも、長期的な視点に立って社会における着地点をめざし、現在の対応策を話し合います。
費用の目安
保険適用外の自費診療について
下記のご金額が目安となります。
個人カウンセリング予約料
心理カウンセリング、キャリアカウンセリング、言語療法など
- 3,500円(税別)/ 30分
- 5,300円(税別)/ 45分
- 7,000円(税別)/ 60分
グループカウンセリング予約料
グループソーシャルスキルトレーニング、グループキャリアカウンセリング、ピアサポートなど
- 2,000円(税別)/ 45分
心理・発達検査予約料
心理・発達検査予約料や検査報告書料金については来院時にお問い合わせください。
文書料
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文書名
料金(税別)
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当院書式の診断書(休養、病気の証明など)
2,500円
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当院書式の診断書・意見書(複雑なもの)
5,000円
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精神保健福祉手帳申請用診断書
10,000円
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障害年金申請用診断書
16,000円
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特別児童扶養手当認定診断書
13,000円
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自立支援医療申請用診断書
5,000円
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料金は税別です。
- ・文書作成は診察の後に医師が記載の可否を判断いたします。
- ・文書のお申し込みは、直接来院してのご依頼をお願いいたします。
- ・用紙や様式指定のある文書はご依頼の際にあらかじめ用紙をご準備下さい。
- ・内容により料金が変更になる場合、告示なしに料金が変更になる場合もあります。あらかじめご了承ください。
- ・当院書式の診断書・意見書、情報提供書、発達検査結果などを英語に翻訳を希望される場合には別途翻訳料が必要です。