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2025.09.07

【コラム】大人のADHDに見られる7つの特徴とタイプ

大人のADHDの7タイプの特徴と支援方法

「ADHD」は、脳機能の発達に偏りが生じ、神経伝達物質(ドパミン・ノルアドレナリン)が不足し、
神経伝達に異常が起こっていると考えられています。
なぜ、脳機能の発達に偏りが生じるのかは、はっきりと分かっていません。「ADHD(注意欠如・多動症)」は子どもに多いというイメージを持つ方が少なくありません。
けれども近年は、大人になってからADHDの診断を受ける人が増えています。

大人になってからADHDになったということではなく、子どもの頃からあった特性が、社会人として仕事や家庭生活を送る中で大きな困難となり、
受診に至るというケースです。

実際、大人のADHDの方は「物事を先延ばししてしまう」「仕事でケアレスミスが続く」「人間関係のトラブルが多い」など、
日常生活や職場に影響する悩みを抱えやすい傾向があります。

ADHDの症状は一律ではなく、タイプによって現れ方が異なることが知られています。
米国のAmen Clinicsの研究によれば、ADHDは脳の働き方の違いに基づき、7つのタイプに分類できるとされています。
本コラムでは、その7タイプをわかりやすく紹介し、大人のADHD理解を深める一助としたいと思います。

*Amen博士は著書の中でADHDをADDと表記しています。


【ADHDの7つのタイプと特徴】

7タイプ早見表

タイプ 主な特徴 困りごとの例 支援のヒント
1. クラシック型 多動性・衝動性が強く、集中が続きにくい 会議でじっとできない、衝動的に行動してしまう タスク分割/タイマー活用/行動前の一呼吸
2. 不注意型 多動は目立たないが注意が散漫、忘れ物が多い 締切に遅れる、ケアレスミスが続く チェックリスト/締切の前倒し/見える化
3. 過集中型 切り替えが苦手で、こだわりが強い 時間を使いすぎる、頑固・しつこいと思われる 区切り時間設定/中断ルール/次の行動を先に決める
4. 側頭葉型 感情のコントロールが難しく、怒りやすい 些細なことでカッとなる、人間関係の衝突 刺激を減らす/休憩導線/感情の言語化
5. 辺縁系型 気分が落ち込みやすく悲観的 やる気が出ない、エネルギー不足 睡眠・運動など生活リズム/相談先を確保
6. リング・オブ・ファイア型 思考や感情が過剰に活性化し落ち着けない イライラ・不安・衝動性が強く混乱しやすい 情報遮断/短時間集中/環境調整
7. 不安型 心配・不安が強く緊張しやすい 会議前に極端に緊張、考えが止まらない 不安への対処スキル(CBT等)/段階的に慣らす

※本記事は理解を助けるために「7タイプ」を紹介しています。診断や治療方針は、症状や生活状況を踏まえて医師が個別に評価します。

1.クラシック型(Classic ADD)

最も一般的に知られるタイプです。
多動性や衝動性が強く、集中が長く続かないのが特徴です。落ち着きがなく、会議や授業でじっと座っていることが苦手な方も多いでしょう。
子どもの頃から症状が目立ちやすく、大人になっても行動の衝動性に悩まされるケースがあります。

2.不注意型(Inattentive ADD)

大人になってから診断される方に多いタイプです。
目立った多動はありませんが、注意が散漫で「ぼんやりしている」「忘れ物が多い」「締め切りを守れない」といった特徴があります。
女性に比較的多く、外見上は静かなので見過ごされやすいのも特徴です。仕事のケアレスミスが多発し、支障をきたすケースが多く認められます。
また、時間感覚の弱さや優先順位付けの困難も問題行動につながりやすいです。

3.過集中型(Overfocused ADD)

一見すると「集中力が高い」ように見えるのですが、実際には切り替えが苦手で、柔軟に対応できないのがこのタイプです。
小さなことにこだわりすぎて時間を浪費したり、人間関係で「しつこい」「頑固」と受け取られることもあります。
別のことに気を取られて、そのまま没頭してしまい切り替えができないという特徴は典型的な過集中型です。

4.側頭葉型(Temporal Lobe ADD)

感情のコントロールが難しく、怒りやすさや気分の波の激しさが特徴です。
些細なことでカッとなったり、感情の起伏によって人間関係のトラブルが生じやすいタイプです。

5.辺縁系型(Limbic ADD)

気分が落ち込みやすく、物事を悲観的にとらえがちな傾向が強いタイプです。
エネルギー不足や「やる気が出ない」という訴えが目立ち、うつ病と区別が難しい場合もあります。

6.リング・オブ・ファイア型(Ring of Fire ADD)

感情や思考が過剰に活性化している状態で、頭の中がごちゃごちゃして落ち着けません。
イライラや不安、衝動性が強く、家庭や職場で混乱を招きやすいタイプです。

7.不安型(Anxious ADD)

常に心配や不安を抱え、緊張が強く出るタイプです。
会議前に極端に緊張して体がこわばったり、心配事を何度も繰り返し考えてしまう傾向があります。
不安障害やパニック障害と症状が重なることもあります。


【タイプを知ることの意義】

ADHDのタイプを理解することは、単なる分類ではなく「困りごとの背景を知る手がかり」になります。

例えば、

  • 不注意型の人は「集中力がない性格」ではなく「脳の働き方の特性」だと理解できる。
  • 過集中型の人は「切り替えのサポート」を意識することで作業効率を高められる。
  • 不安型の人は「不安の軽減」に注力する治療や生活習慣改善が有効になる。

といったように、治療方針や生活の工夫に直結します。


【大人のADHDの治療と対応】

大人のADHDに対する治療は、薬物療法だけではなく、心理社会的支援を組み合わせることが重要です。

主な治療・支援の方法

  • 薬物治療:中枢神経刺激薬や非刺激薬を用いて注意力や衝動性を調整
  • ライフスタイルの改善:食事(栄養)、睡眠、瞑想、運動など脳を刺激する健康な習慣作り
  • 認知行動療法(CBT):自己の特性理解を深め、思考や行動のパターンを見直し、対処スキルを高める
  • カウンセリング:生活習慣や仕事の進め方を一緒に整理

【まとめ】

ADHDは「不注意・多動・衝動性」といった単純な症状だけでなく、人によって異なるタイプと特性があります。
自分や身近な人のタイプを理解することで、仕事や家庭生活でのお困りごとに具体的な対策を立てやすくなります。

  • 「忘れ物や遅刻が多くて困っている」
  • 「仕事が続かない、人間関係がうまくいかない」
  • 「子どもの頃から気になっていた特性が、大人になって生活に影響している」

このような悩みを抱えている方は、ご相談ください。

当院では、診断だけでなく、生活の工夫や治療方法を一緒に考え、今ある症状と向き合い、生活の質を高めていけるようサポートしてまいります。

初診は予約制となっております。詳しくは初診のご案内をご覧ください。


【参考】

Daniel G. Amen, MD 『Healing ADD』 (Amen Clinics)


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