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ことばに関する症状 気になったらご相談ください|吃音(きつおん)・ことばの発達や発音など
ことばの問題にはさまざまな症状があります。当院では、特にことばの問題をかかえるお子さんや、吃音(きつおん)によることばの問題に悩んでおられる大人の方への、評価や訓練を行っています。
お子さんのことばの問題には、ことばの発達の遅れ、発音がわかりにくい(舌ったらず)、吃音(きつおん)が含まれます。
ことばの発達の遅れとは、2歳になっても一語文がみられない、4歳になっても文章でお話できない、たくさんお話をしているけど、周りの大人には何をいっているか理解できない、などです。
発音がわかりにくいとは、年長さんになっても、「さかな」が「ちゃたな」、「かき」が「かち」、「つくえ」が「ちゅとぅえ」などと発音する、です。
吃音(きつおん)とは、「ぼ・ぼ・ぼく」や「ぼぉぉぉく」、「・・・(沈黙)ぼく」というように、お話しの流れ(流暢性)の問題です。
それぞれのことばの問題には、それぞれの原因がありますし、問題の程度もあります。よって、その原因や程度を明らかにするために、言語聴覚士が訓練を行う前に評価をして、その方に適切な訓練の計画をたてます。
では、どんな訓練をするのでしょうか。
ことばの発達の遅れ
原因はさまざまです。難聴が原因のこともあれば、知的発達の遅れによるもの、自閉スペクトラム症など対人相互作用の障害によるもの、言語学習に限定された学習障害による、などです。いずれの原因にしても、お子さんの発達段階や、得意・不得意なことに合わせて、言語発達を促進するような働きかけをします。例えば絵カードを用いて語彙を増やしていく、単語と単語をつなげる練習、正しい助詞の使用を促す、などです。
発音の問題
ひとことに「発音がわかりにくい」「舌ったらず」といっても、検査をすることで明らかになることがあります。たとえば、「か行」の中でも「か、く、こ」は言えるけれど、「き、け」は言えない、あるいは、「かき」とは言えるけれど、「キッチン」は「チッチン」と言ってしまう、です。どの音が言えないのかを明らかにしてから、言えない音をどうやって作るかの訓練をしていきます。音の作り方には決まった場所と方法があります。「ぱ」という音を口を開けたまま発音してみてください。気持ちは「ぱ」といっているけど、聞こえる音は「あ」になっていることでしょう。ですから、訓練では、各音のルールにのっとって、音を作る練習をしていきます。
吃音(きつおん)
患者様の年齢に合わせて直接的か非直接的な訓練を行っていきます。吃音がこどもの頃にでても、自然になくなる方がほとんです。しかし、なんらかの理由(実は明らかになっていないのです)で、吃音が生涯残る方がいらっしゃいます。理由はわかっていませんが、吃音が残るかたのリスクファクターとしては、男子であること、家族に吃音の方がいること、吃音が出始めたのが、3歳6か月以降であること、吃音がでてから1年以上経っている、があげられます。ある一定の年齢を過ぎても吃音が残っている場合は、基本的には吃音は「なくなるもの」ではなく、その方の話し方の特徴であるという考え方をします。ですから吃音が無くなることに焦点を当てるのではなく、話しやすい環境のご提案や、ご自身の話し方の理解・とらえ方を訓練していきます。ご希望に応じて検査を行い、吃音の程度を測ることも可能です。
「どこ」がというわけではないけれど、なんだかお子さんやご自身の「ことば」が気になる方は、ぜひご相談ください。
はやかわこころのクリニック一社 言語聴覚士:早川統子
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